地熱発電の仕組と原理は?
地震の多いわが国にはたくさんの火山があります。
こうした火山の近くでは、地下数km~20kmあたりの深さのところには1000℃ぐらいのマグマがたまっていて辺りにある岩石を熱しています。
こうした岩石には割れ目のあるものが多く、そうした割れ目に地下まで侵入してきた雨水が流れ込みます。
その後も割れ目をつたって次第にマグマが溜まっている場所に流れていきます。
マグマに熱せられた雨水は高温になって蒸気を発します。
その蒸気が地下の割れ目をつたって上昇していき、地表まで達すると温泉になったり、蒸気に噴射地帯をつくったりします。
でもすべてが地表まで達するのではなく、地下の浅いところでは熱水に溶かされた成分が沈殿し割れ目が詰まってきます。
そのため深いところにある熱水や蒸気の出口がなくなり、高温でしかも高圧の熱水が大量にたまります。これを「地熱貯留層」と呼びます。
この貯留層に向かって地表から穴を掘ると高温高圧の蒸気を取り出すことができ、この力の利用によりタービンを回して発電するのが地熱発電なのです。
地熱発電の主な特徴
地熱発電は他の再生可能エネルギーと比べて多くの特徴があります。それは次のようなものです。
- <特徴1・国産エネルギーの有効需要>
- 火力発電が海外から輸入した大量の地下資源を使うのに対して、地熱発電は国内で発生する地熱を利用するのですから、他国の影響を受けることなく安定した供給が可能になります。
- <特徴2・燃料がいらない>
- 地熱発電は地下で発生する蒸気を利用してタービンを回すので、他の燃料を使うことはありません。
- <特徴3・クリーンなエネルギーである>
- 大気汚染の原因になる二酸化炭素などの有害物質をいっさい排出しません。したがって地球環境にやさしい「クリーンエネルギー」なのです。
- <特徴4・半永久的に安定供給ができる>
- もし地中の熱が失われることがあるとしても、それは数十億年後とされています。したがって地熱発電は半永久的ともいえる長い期間にわたって継続して利用が可能なのです。
日本はたくさんの火山があり、地震の原因となる活断層の上に位置している事から地震の多いリスクの高い国と認識されています。
それは良い面から考えると地熱発電に適した国と言うことができ、うまく火山や活断層などをコントロールする技術が開発されれば、地熱発電は将来性が出てくると思われます。