今、再生可能エネルギーが注目されている理由は?
わが国では東日本大地震による原発事故以来、急に再生可能エネルギーがクローズアップされ、いまではその導入のために国が大きく後押しして普及推進に力を入れているようです。
巷ではこのエネルギーのことをまるで夢のエネルギーのように絶賛している人も珍しくないようですが、はたしてそれ程大きな期待を寄せてもいいものなのでしょうか。
ではこの新しいエネルギーはどうしてこれほど期待されているのでしょうか。
それに、これまでの化石エネルギーや原発に頼ることなく、本当に代替エネルギーとしての役割を再生可能エネルギーに任せても大丈夫なのでしょうか。
そもそも再生エネルギーに注目が集まったのは、二酸化炭素による地球温暖化が叫ばれている中で、有害物質を出さすことなく、地球環境に優しいエネルギーであるからではないでしょうか。
残念ながら未達成に終わりましたが、わが国は京都議定書で年に6%の二酸化炭素を減らすことが義務付けられていました。
平成12年度までにそれを達成することができず、結局他国から排出権を買う羽目になってしまいました。
こうしたこともあって国はCO2の排出を減らすために、なんとしても有害物質を出さない代替エネルギーの導入を急いでるのではないでしょうか?
また、現在使われている石油、石炭、天然ガスは有限の資源であり必ずいつか枯渇します。
他方で、再生可能エネルギーは太陽や風が無くならない限りほぼ永久的に利用することができる点も大きなメリットです。
再生可能エネルギーの課題と将来性
いま再生可能エネルギーは太陽光発電を中心にして全エネルギー量の約10%を供給できるようになっています。
その量を今後倍増してなんとしても代替エネルギーとして確固たる地位を確立するために政府はいろいろな対策を講じて普及のための後押しをしています。
では今後普及を大きく前進させるために、ネックになるのはどんな点なのでしょうか。
いろいろありますが、最も大きなネックは設備費用と発電コストです。
いま最も普及が進んでいる太陽光発電ひとつとってみても、その費用は高価で、家庭にとっては非常に高い買い物になります。
もちろん国や地方、それに市区町村などからかなりの額の補助金は出ますが、それでもおいそれと庶民に手の届く金額でもありません。
中心になる太陽光でさえこういう状態ですから、その次を走る風力は別にして、その他の地熱、波力、潮力などの発電システムはまだまだ未知数の部分が多く、実用化にはいろいろな解決すべき問題が残っているようです。
ただ、20年から30年という中長期で考えると技術の進歩で解決できる問題ばかりですので、長い目で見れば再生可能ネネルギーの普及は間違いないでしょう。